コラム
相続税申告をご検討中の皆様、贈与税の申告についてもご準備はお済みでしょうか?
税理士の視点から重要なポイントをお伝えします。
墨田区・江戸川区・江東区にお住まいの皆様、寒さの中にも春の気配を感じる季節となりました。
この時期、確定申告と並んで重要なのが「贈与税の申告」です。
特に2024年から始まった「相続時精算課税制度」の新ルール(年110万円の基礎控除)は、将来の相続対策として非常に有効ですが、制度導入から2年が経過し、2回目の申告シーズン(2026年2月1日~3月15日)を迎える今、手続きのミスや誤解によるトラブルも散見されます。
この制度がお客様の相続・贈与にどのような影響を与えるのか、注意点とともに解説します。
このコラムの内容
まずは、2024年1月以降の贈与から適用されている新ルールの概要を確認しましょう。
従来、贈与税の非課税枠といえば「暦年贈与」の年間110万円が一般的でした。
一方、「相続時精算課税制度」は、贈与時は2,500万円まで非課税ですが、相続発生時にその贈与分を相続財産に足し戻して計算する「課税の先送り」制度でした。
しかし改正により、この相続時精算課税制度にも「年110万円の基礎控除」が新設されました。
これにより、同制度を選択しても年110万円までの贈与であれば贈与税がかからず、さらにその分は将来の相続財産への足し戻しも不要となりました。
これは納税者にとって非常に大きなメリットといえます。
最も多い誤解の一つが、既存の「暦年贈与」との併用についてです。
「両方の制度を使えば年間220万円まで非課税になるのでは?」と考える方がいらっしゃいますが、同じ贈与者(あげる人)からの贈与について、両方の制度を併用することはできません。
贈与を受ける人は、贈与者ごとにどちらの制度を使うかを選択する必要があります。
「相続時精算課税制度の基礎控除」を利用するためには、必ず「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出しなければなりません。
提出期限は、この制度を初めて適用しようとする贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
実務上、特によく見られる計算ミスについて解説します。
110万円の基礎控除は「贈与を受ける人(もらう人)1人につき年間110万円」です。
例えば、父と母の両方から相続時精算課税制度で贈与を受けた場合、「父から110万円控除、母からも110万円控除」とはなりません。
父と母からの贈与額の合計から、あわせて110万円を控除して計算します。
新ルールでは、年110万円の基礎控除以下の部分については、将来の相続財産への「持ち戻し(足し戻し)」は不要です。
これが最大のメリットですが、110万円を超えた部分(累計2,500万円の特別控除枠を使用した部分)については、相続発生時に贈与時の価額で持ち戻して計算されます。
新しくなった相続時精算課税制度はメリットが大きい反面、手続きの厳格さや、一度選択すると後戻りできないというリスクも伴います。
「自分の家族構成や財産状況では、暦年贈与とどちらが得か」「所有する不動産の贈与はどうすべきか」といった判断は、個々の状況により最適解が異なります。
うっかりミスで後悔しないためにも、生前贈与を検討される際は、ぜひ相続に強い税理士にご相談ください。
贈与税の申告、将来の相続税対策、不動産の名義変更などをワンストップで相談できる体制を選ぶことが、安心と時間短縮につながります。
フォーカス会計事務所では、相続税申告・贈与税申告をはじめとする税務サービスを提供し、以下の体制でサポートしています。
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【免責事項】
※本記事は2026年2月時点の法律・制度に基づいて一般的な情報を提供するものです。法改正等により内容が変更される可能性があります。
※記事内容は一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な法的助言や税務助言を行うものではありません。実際の手続きや判断については、必ず司法書士・税理士・行政書士等の有資格者にご相談ください。
記事監修:公認会計士・税理士・行政書士 内海真樹
作成日:2026年2月